絆 2012 11 25
書名 LINEスタートブック
著者 高橋 慈子 秀和システム
数年前までは、若者のコミュニケーションツール(SNS)とは、
「Twitter」や「Facebook」が主流でしたが、
今、急速に「LINE」が普及しつつあります。
おそらく、若者の間では、「LINE」が主流になったと思います。
こうした動きは、海外でも出ていて、
東アジアでも、急速に「LINE」が広がっていると聞きます。
中高年の方は、「そもそもLINEとは何か」と思ったでしょう。
簡単に言えば、「LINE」とは、利用者をスマートフォンに特化し、
スマートフォンで、リアルタイムのチャット(会話)や無料電話が利用できるサービスです。
おそらく、中高年の方は、無料電話というところに注目したと思いますが、
若者は、主に「トーク」と呼ばれるチャット機能を使っています。
なぜ、これが、若者に流行るのか。
リアルタイムのチャット、つまり、おしゃべりが簡単にできるからです。
これに対して、中高年の方は、こう考えるかもしれません。
「それならば、SMS(ショートメッセージサービス)を使えばよいのではないか。
携帯電話には、相手のメールアドレスを知らなくても、
相手の電話番号を指定して、短いメッセージを送る機能があるではないか」
確かに、「LINE」も、電話番号を使うという点は同じで、
SMSを発展させたものと言えるかもしれません。
しかし、おしゃべりは、一対一よりも、
多数で、おしゃべりをした方が楽しいでしょう。
特に、女性は、そういう傾向が強いと思います。
つまり、「LINE」では、一対一ではなく、
同時に、複数の人と、テキストメッセージで、おしゃべりができるのです。
たとえば、週末に、8人で、紅葉を見に行くと決めたとします。
しかし、天気予報が外れ、当日の朝は、突然の雨が降ってきました。
さあ、どうしますか。
誰かがリーダーとなって、SMSを使って、ひらすら残り7人に連絡を取り、
どうするかを協議しますか。
これは、なかなか面倒なことでしょう。
このような場合に、「LINE」は便利です。
何しろ、複数の相手と、リアルタイムに打ち合わせができるのです。
わざわざ、リーダーを決めておく必要はありません。
これは、仕事にも使えます。
簡単な打ち合わせや連絡調整に使えると思います。
さて、確か「はじめての最新LINE入門」(秀和システム)だったと思いますが、
その本には、「LINE」は、東日本大震災を受けて、開発が始まったようにも書いてあります。
東日本大震災によって、人々が「絆」を求めるようになったからです。
人と人との「結びつき」や「助け合い」を電子的に求めれば、「LINE」になるかもしれません。
ただし、「LINE」のアカウントは、スマートフォンの電話番号を使うので、
現実の友達関係を補強するものと言えるでしょう。
「Twitter」や「Facebook」は、アメリカ生まれのサービスですが、
「LINE」は、日本生まれのサービスです。
この日本式のサービスが、中高年の方に、どこまで広まるか、
あるいは、東アジアに、いや欧米に広まるか、見ものです。